2018年11月5日(火)に上海(中国)で開催された上海社会科学院主催シンポジウムに参加しました。
私は「パリ万国博覧会における中国と日本」という題目で口頭発表しました。
1867年パリ万博に日本は初めて公式に参加し、このとき中国・タイ・日本は同じ区画で展示が行われました。
当初、三国は博覧会場でほとんど区別されず「混同」された状態でしたが、次第に日本は「中国」との比較を通じて、その特徴が理解されていく側面があります。
1870年代にフランスで誕生する「ジャポニスム」を考える際に、「中国と日本」がそれぞれどのように理解されていったのか、文化的特徴のみならず、その政治的・経済的背景を含めて考えていくことが重要であると考えています。
もちろん、18世紀の「シノワズリ」、19世紀のヨーロッパにおける東洋学の発展、それと同時にオリエンタリズムの問題についても、目を向けていく必要があります。
本発表では、19世紀後半のフランス貿易統計の調査に基づき、中国と日本の貿易額の変化についても比較検討しました。
またシンポジウムの他に、2017年に上海でオープンしたばかりの「Expo Museum(万博博物館)」も訪問できました。
あらためて現在に至る万博の歴史について考え直す良い機会となりました。
今回も関係者の皆様に大変お世話になりました。ありがとうございました。
これからも中国や韓国との共同研究に積極的に参加していきたいと思っています。